HGUC登場以前のキットや、これだけは押さえておきたいエポックメイキングなアイテムを紹介します。価格はすべて税抜き価格です
今ではとても考えられないことだが1981~82年のガンプラブームの当時は、行列して待たなければガンプラを
買うことができなかった。何が買えるかも入荷するまでわからず、人気の高いモビルスーツはあっという間に売り切れてしまう。
最後に残る値段も高く人気のないモビルアーマーや戦艦でさえ買えればラッキーな時代だった。
ついにはキット化するものがなくなってしまって、劇中に登場しない没メカ(アッグ、アッグガイ、ジュアッグ、ゾゴック)
まで発売されることになる。
そうしているうちに、学校をさぼっての行列や行列中の事故などが社会問題となり、
いよいよブームも終わりかと思われた1983年、「もしモビルスーツが実在したら?」という仮定のもとに始まったのが、
MSV(モビルスーツバリエーション)シリーズであった。
その第一弾となったのが、MSVの代名詞とも言える、このMS-06R ザクⅡである。
伝説の模型誌「HOW TO BUILD GUNDAM」(ホビージャパン別冊・昨年2009年に復刻版が発売された)に掲載された小田雅弘
製作の1/100作例のプロポーションを再現した、それまでのガンプラとは一線を画するスーパーキットであった。
まず圧倒されるのが故石橋謙一によるボックスアート。天面に「機動戦士ガンダム」の名はなく、巨大なバックパックを
背負った後ろ向きのザクがドーンと描かれている。
箱を開けるとそれまでの500円キットとは比べ物にならないほど細かく分割されたパーツに豪華な解説付き取説…。
MSV発売により、ガンプラはさらなる発展を遂げることになったのであった。
←ただいま製作中の作例シン・マツナガ機はコチラ。
●これがザクだ! と誰もが納得したプロポーション。現在の目で見るとツライ部分もあるが、 当時このザクを手にした衝撃を覚えている人も多いはず。
●初めて平手が付いたのもこのキットから。ザクマシンガン、ヒートホークの形状もバッチリだ。
●エースパイロットたちのエンブレムがうれしいデカール。当初発売されたものには、モノアイは付いていなかった。 隊長機を再現するアンテナはスタビライザーふうのものが付属。
●それまでのパッケージとは大きく印象の異なる白箱も新鮮だった。
●前から見ると一見ふつうのザク。それが後ろから見てみると…。リアルさの固まりのようなバックパックに 驚愕する!
●それまでのキットとは比べ物にならないほど細かく分割されたパーツ。この内容でゲルググと同じ500円という価格も驚きであった。
●写真は2010年再販のもの。発売当時のものには左側面のJANコードの部分にバリエーション機体である シン・マツナガ機が印刷されていた。
●約20年後に発売されたHGUC 040 量産型ザク(右)との比較。